中国という国を中国語の切り口から見てみる 〜その2〜

今日は再度中国語という切り口から、中国を見てみたいと思います。

 

先日、「普通語(北京語)は中国の標準語」と表現しましたが、「世界で話されている中国語の標準」とも言えます。但し、国・地域によってイントネーションや漢字表記、更に入力方法も異なります。

 

まず、漢字表記については、「簡体字」と「繁体字」の2つに分けられます。「簡体字」は主に中国大陸で使われている省略字であり、下記表の真ん中にあたります。歴史的には、以前中国も「繁体字」を利用していたとの事ですが、いつ頃から「簡体字」になったか分かりません。

 

一方、「繁体字」は主に台湾・香港・マカオで使われ、日本人が日々利用する漢字とほとんど変わりませんが、下記表の右行の様に、日本語よりも複雑な書き方をする漢字もあります。

 

因みに、中国大陸の方は繁体字は基本的に書けませんし、逆に台湾の方は簡体字は書けません。見た場合、漢字によっては予測出来るレベルです。私の場合は、台湾の「繁体字」で普通語(北京語)を勉強しましたので、2010年以降仕事で中国大陸へ入る様になり最初1年位は苦労しました。今は慣れましたので、どちらも問題なく見ても理解出来ますが、書く機会が少ないので忘れがちです。

 

f:id:mixtape0915:20150806042844j:plain

 

 さて、中国語を勉強した事がない方に説明するのが難しいのですが、普通語(北京語)をパソコン入力(勉強)する場合、中国大陸と台湾では全く違う方法で入力します。

 

一般的な入力(勉強)方法としては、中国大陸の「拼音(ピンイン)」であり、「音素文字に分け、ラテン文字化(アルファベット化)して表記する発音表記体系を指す」という説明がwikipedia上でされています。が、分かりにくいので、下記を見て見ましょう。

 

先日ご紹介した「謝謝」をピンインで表すと「xiexie」となり、パソコン入力する際もこのアルファベットを入力すれば変換できます。美味しいを意味する「好吃」は「Hao chi」と表記します。日本人の悪い癖として、外国語学習時に何でもカタカタで学ぼうとする方を見かけますが、中国語の場合なこのピンインのアルファベットベース学ぶ事をお勧めします。

 

一方、台湾では「注音符号(ちゅういんふごう、ちゅうおんふごう)」という入力(勉強)方法であり、これは中国語発音記号を組み合わせて漢字を入力する方法です。例えば「ㄅㄆㄇㄈ」という記号があいうえおの様に声母(音節頭子音)21字と韻16字の37文字から成り立っており、ボポモフォ (bopomofo) とも呼ばれます。言葉で説明するより、ネット上で拾った画像で恐縮ですが、下記を見て頂ければ一目瞭然で、上段が中国大陸の「簡体字」と「拼音(ピンイン)」表記で、下記が台湾の「繁体字」と「注音符号(ちゅういんふごう、ちゅうおんふごう)」です。

 

f:id:mixtape0915:20150806051315j:plain

 

因みに、台湾で中国語を勉強した私の場合、確かに初歩的な「注音符号」は学びましたが、より一般的な「拼音(ピンイン)」ベースで勉強したため、この点においては中国大陸で仕事をする上で苦労する事はありませんでした。「注音符号」での入力は出来ません。

 

簡体字」と「繁体字」どちらも「拼音(ピンイン)」で入力出来ますので、普通語(北京語)を勉強する際は必ずこの「拼音(ピンイン)」で勉強しましょう。

 

この 中国大陸における「拼音」と、台湾における「注音符号」間には、入力方法の違い以外に、意外とビジネスにも関係してくる名前のアルファベット表記等にも大きく関係しています。例えば、「張」や「羅」の様な一般的な苗字の方をアルファベット表記する場合、中国では「張(Zhang)」や「羅(Luo)」と表記しますが、台湾の場合「張(Chang)」や「羅(Lu/Lo)」と表記します。これを更にカタカタに直すとややこしくなりますが、「張(Zhang)」は「ジャン」、「張(Chang)」は「チャン」となり同じ人でも違う方の様になってしまいます。

 

この様な理由から、「簡体字」と「繁体字」どちらも「拼音(ピンイン)」で学び、絶対カタカナベースで学ばない方が良いとのアドバイスに繋がります。

 

さて、本日は少し複雑な内容でしたが、要は中国語といっても「簡体字」と「繁体字」があり入力(勉強)方法も違うという事を分かって頂き、勉強する際は「拼音(ピンイン)」ベースで勉強しましょうという事です。

中国語は複雑ですので、次回も中国語という切り口から中華圏を見たいと思います。本日も最後まで読んで頂きありがとうございました!!